応用自在算数のおもな特徴
応用自在は300ページ強の一冊で中学入試に必要な範囲を網羅した学習書です。
参考書と問題集を兼ねており、使い勝手の良さにこだわっています。
計算、図形、文章題など中学受験のよく出る内容を中心に入試に直結する重要単元をバランスよく学ぶことができます。
応用自在は中学入試の「強化書」として難易度の高い問題はもちろん、単元ごとに要点の確認からはじまります。
まず基本をおさえたうえで次のトレーニングに移り、さらに強化、その単元を理解し解ける力がつく構成となっています。
実際の受験算数の厳選された問題に多く触れることで考え方をマスターし、無理なく思考力を高めることができます。
応用自在はカラーの図解を多用し見やすさ・読みやすさにこだわっています。
わからない問題の理解につながるように解答にもていねいな解説が載っており、わかりやすさという点も合格点です。
解答は別冊となるように簡単に取り外すことができます。
応用自在算数の活用例
通塾生の使い方
塾へ通う子どもの場合は塾で習った単元の復習、テストの見直しで使うといいでしょう。
本来、復習や見直しは塾から渡されるテキストやプリントを使うべきですが、その量が膨大でどこにあるのかわからない場合もあるかもしれません。
そういう時に応用自在があれば重宝します。
過去に習ったところで理解や記憶があやふやな単元の復習で使いやすいです。
どこに何が載っているのかわかるように応用自在の巻末には「さくいん」が載っています。探したい事柄をキーワードで見つけることができます。
通塾しない受験生の使い方
応用自在は入試合格に必要な知識や思考力が身に付く学習書として高い評価を得ています。
そのため、塾へ通わない受験生の中で応用自在を軸に中学受験の算数を勉強する子どもが多いです。
応用自在は内容が多岐にわたるため親御さんなど大人のサポートが必要となる場面もあるでしょうが、わかりやすい解説がついており大人としても教えるのに役立ちます。
応用自在と自由自在の比較
応用自在と自由自在はどちらも参考書としても問題集としても優れた教材です。
どちらも小学生の学習の定番冊子として根強い人気があります。
サイズもほぼ同じのA5サイズ(応用自在はワイド版ですこし横のサイズが長い)、厚さもほぼ同じです。
それならどちらを選んでもOKなのかというとこの2冊の中身は大きく異なります。
ひとことで言うと扱っている問題のレベルが違います。
実際に書店などで手に取って中身をみることをおすすめしますが、ここでは応用自在と自由自在を比較しつつそれぞれの特徴についてお伝えします。
応用自在は中学受験の入試対策
応用自在は冊子の裏表紙に{中学入試の「強化書」}と書かれているとおり、学校授業の内容を意識した自由自在とは一線を画します。
応用自在は中学入試の「強化書」を掲げるだけあって自由自在にくらべて難易度が高いからです。しかもこの一冊のなかに中学受験の算数に必要な単元をすべて網羅しています。
難易度が高いといってもすべてが応用問題ばかりではなく、一つひとつの単元で「重要点の基礎チェック」を読み基本的な知識を覚えることからはじめることができます。
そして例題や練習問題で単元の基本を確認、そのあとに「入試問題にチャレンジ」で中学受験の出題問題まで押さえています。
基本のチェックからはじめることができ段階を踏んで問題の難易度が上がりますが、解き方の説明が丁寧で図解などもふんだんに載っています。
コンパクトにまとまっていながら中身が濃い参考書であり問題集でもあるわけです。
これ一冊やりこめば中学入試でよく問われる内容をおさえることができます。また問題を解くための考え方がわかるため思考力をつけることもできます。
自由自在は中学受験の準備対策
自由自在は学校の授業で習う単元の予習復習に役立つ参考書。学習指導要領に合わせた内容になっており、練習問題なども基本中の基本といえる問題が多数収録されています。
すこし中学受験向けの発展問題も収録されていますが質量ともに十分ではありません。
では自由自在は中学受験には不向きかというとそういうわけではありません。
自由自在は中学受験のメインの参考書にはならないが、広く浅く小学校で習ってきた内容を確認することで中学受験の準備、つまり土台作りができます。
またすでに塾へ通っている子どもにとっては折に触れて基本項目を見直す参考書として使えます。
自由自在は3・4年生と高学年で分冊されています。入塾準備のためなら1冊で3・4年生をじっくりと押さえることができます。
どこに何が載っているのかもわかりやすいので振り返る項目を見つけやすいです。
自由自在との使い分けについて
自由自在は中学受験の準備対策、応用自在は中学受験の入試対策に適した学習書です。載っている単元は同じでも難易度に差がありますので目的や用途に合ったほうを選ぶことをおすすめします。
どちらの学習書も一通りのことは載っていることに違いはありませんから、塾に通わず自宅学習のみで中学受験を目指す子どもの場合、この2冊をうまく使い分けて実力をつけるのもひとつの方法です。
中学受験の土台づくりに自由自在、そのうえに基礎をしっかり構築するのに応用自在、そして建物部分により思考力の必要な問題集などに取り組めばかなりの力がつきます。
塾に通っている子どもの場合、基本に立ち返りたい項目は自由自在を使い、苦手項目を克服するための練習問題として応用自在を使って確認するのもいいでしょう。
応用自在 | 自由自在 | |
---|---|---|
対象 | 高学年 | 3・4年用と高学年用がある |
サイズ | A5ワイド版(自由自在より横幅のみ3cmほど長い) | A5 |
ページ数 | 336ページ | 384ページ(3・4年用)511ページ(高学年用) |
応用自在のみで受験算数は大丈夫か?
上記では応用自在は中学受験の入試対策と書きましたが、この1冊で繰り返し学習すれば受験算数は万全かというとそうは言いきれません。
というのは応用自在に載っている問題は実際に中学受験で出題された良問ぞろいで考える力を身につけ実戦力を高めるのに役立つには違いありませんが、難関中学校の受験算数を想定するとさらに難しい問題が出題されるからです。
難関中学校の受験を検討しているなら応用自在を早めに仕上げて、さらに難易度が高い問題が収められた問題集なども解いておきましょう。
中堅校といわれる中学校の算数対策では応用自在に収録された問題の類題を中心に演習することで相当の対応力がつきます。
このように受験する中学校の入試問題の難易度により応用自在の位置づけは変わってきますが、合格点を取るための練習はその中学校入試の過去問でおこなう必要があります。